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詩「にょしんらいはい」 小川アンナ(1919~ ) [詩]

姥ケ沢ヴィーナス.jpg
姥ケ沢ヴィーナス



詩「にょしんらいはい」 小川アンナ

おんなの人を きよめておくるとき
いちばん かなしみをさそわれるのは
あそこをきれいにしてやるときです
としとって これがおわりの
ちょうどふゆのこだちのように しずかなさまになっているひとも
おばあちゃんとよんでいたのに おもいのほかにうつくしい ゆきのあしたのように
きよらかにしずまっているのをみいでたときなどは
ひごろいたらなかったわたくしたちのふるまいが
いかにくやしくなさけなく おもいかえされることでしょう
そこからうまれた たれもかれもが
けっして うみだされたときのくるしみなどを
おもいやってあげることなどなく
それは ひっそりと わすれられたまま
なんじゅうねんも ひとりのこころにまもられていたものです
てもあしもうごかず ながやみにくるしむひとのかなしみは
あそこがよごれ しゅうちにおおうてもなくて
さらしものにするこころぐるしさ


いくたびもいくたびも そこからうみ
なやみくるしみいきて
いまはもうしなえたそこを きよめおわって
そっとまたをとじてやるとき
わたしたちは ひとりのにんげんからなにかをしずかにおもくうけとって
いきついでゆくとでもいうのでしょうか

「母系の女たちへ」ペッパーランド編(現代企画室・1992年12月15日初版)




★ 再投稿 小川アンナさんの詩である。
身近にいてくれた今はもう亡き女性たちの姿が次々に脳裏に浮かぶ。
そのことによってこの詩は私にとって、その人たちが生きていたことを確認するためのものとなっている。

★体調が整わず帰宅すると、ぐったりとしぼんで眠り込んでいた。
★40年前の知り合いから私の生死を確かめるような留守電があった。
人とは執念深く何枚もの皮をかぶっているものだ。たとえ聖職者であってもだ。
★自分に限って、そしてあることに限ってはだが、辛辣になりすぎるのでブログには具体的なことが書けない。
★自分を井戸に沈め、土に埋めてきたが、どうやら谷底にばらまいた心情を物語詩にだけ吐露することができるようだ。
★触れると人を溶かしてしまう巻風のような追憶に襲われる。
★鑑賞映画「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」


柴犬カンチの足跡日記  人間の家族から愛されて育ったカンちゃんは、人を恨むことを知らない。
カンちゃんはいいなあ。
カンちゃんのブログ http://blog.livedoor.jp/kanchi_m/

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