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「ゼロ・ダーク・サーティ」  [映画]

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監督 キャスリン・ビグロー  158分 アメリカ 2012年
CIA女性分析官マヤ (ジェシカ・チャスティン)



ゼロ・ダーク・サーティとは、アメリカ同時多発テロの首謀者ウサマ・ビン・ラディンの居場所を襲撃開始した時間のことで、軍事用語で午前0時30分のことである。
ウサマ・ビン・ラディンの隠れている場所を突き止め情報を提供し、実行部隊に殺害させたのは、CIAパキスタン支局に赴任してきた女性分析官マヤだった。


ゼロマヤ.jpg

マヤはすずしく聡明な思考力を持ち、捕えたアルカイダの拷問にも立ち会い、上司に堂々と説得力のある意見を言える程の情報を積み上げて来ていた。
CIA在籍12年のマヤ自身も殺されそうになったが、同僚の女性(3人の子持ち)が自爆テロにあい目の前で死亡した事がかなり深い痛手となっている。
執拗におかしな行動を取る男を怪しいとにらみ、この男が3階まである広い屋敷に住むことを突きとめ、ウサマ・ビン・ラディンの配下にあるのではないかと疑った。

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ウサマ・ビン・ラディンの隠れ家



さらに詳しく
「ゼロ・ダーク・サーティ」公式サイトこちらhttp://zdt.gaga.ne.jp/

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回音壁と三音石   映画「宋家の三姉妹」 [映画]

調和のとれる音を目指して何度も疲れ果てる仕事をしていながら、明け方地球の大気に触れた光がチチチチと小鳥の鳴き声を上げることや、ほんの少し隙間の開いた窓が悪魔の唸り声をもらすことや、雪が積み重なる清音、人が舌打ちする音などそんなことには触れないできた。
殴られる前に、空気を裂く微音に気配を察し、両腕で自身をかばうことは子どもの頃にやしなわれた。


<興味深いシーン>「中国の回音壁と三音石」


宗家の三姉妹.jpg
「宗家の三姉妹」 1997 監督メイベル・チャン
第二次世界大戦の前後、アメリカ留学から帰った3姉妹の物語



回音壁.jpg
天壇公園 回音壁
映画の冒頭で、子どもの頃の三姉妹が「回音壁」で追いかけっこをして遊ぶ幻想的なシーンに強く心惹かれた。
「回音壁」は半円形や円形の壁で上は天井なしの筒抜け、皇帝の位牌を祭る古代の霊廟建築物である
映画の中の「回音壁」は、娘たちが走りながら声を発すると、移動する声があちこちからこだまする不思議な円形の壁だった。
2人が壁の左右両側に別れて立ち、声を発すると180度離れていても、ひそひそ声が壁に伝わりはっきり聞こえる。
壁のレンガはつなぎ目をきれいに埋め、滑らかに磨き、音が反響するようにしてある。


天壇公園 三音石.jpg
天壇公園 三音石

「三音石」と言う石畳もあって、一番前の石上で手を一つたたくと反響音が一つ、二番目の石畳の上では二つ、三番目の石畳の上では三つ音が返ってくる。
「宋家の三姉妹」の映画では「回音壁」と「三音石」を同時に使っていたような感じだった。


円明園 .jpg
円明園 迷路のような庭園も撮影に使われていた
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「孤独のグルメ」 文芸コミック(2) 絵・谷口ジロー 原作・久住昌之 [漫画(コミック)]

御訪問有難うございます。
所用が重なりますので、1週間~10日ばかり投稿はお休みにします。
皆さまの所へは少しずつ訪問させていただきます。
遅くなっても必ず拝見、拝読させていただきます。



映画「脳男」でショックを受けたのは、弟を殺した青年の志村(写真下・染谷将太)を、弟の姉の精神科医(女優・松雪泰子)が患者として治療に当たっていたけれど、青年の再犯(幼い子供の眉と髪を剃り裸にして傷付け、自分が留守の間は空の浴槽の中に閉じ込める)を防げなかったこと。青年の笑顔が不気味だった。
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以下は、3年前に一度投稿した記事ですが、nice!(0) コメント(0)でしたので再投稿させていただきました。

「孤独のグルメ」 文芸コミック(2)
第9話「藤沢市・江ノ島の江ノ島丼」

井之頭五郎は、江ノ島を歩きながら昔一緒に歩いた恋人のことを思い出す。
昔からあった饅頭屋にたどりつき、できたてのあつあつの饅頭をほうばりながら「ああなんだかいいな」とつぶやく。
彼女ともし結婚していたら今頃は子供ができていて、こんなにのんびりとは構えていられなかっただろう。
漫画を読んでいるこちらも、この寂しさなんだかいいなと思ってしまう。
シーズン前の江ノ島の、海辺の家風な店で、井之頭五郎は、蟹の味噌汁と特筆すべきこともないおしんこ(2種)つきの江ノ島丼とさらにサザエの壷焼きを注文した。
江ノ島丼は、ご飯少なめでサザエと卵が入っており、きざみのりがふりかけられている。
第1話で野菜炒めをたのんだ時には、豚バラだけを炒めたものだったので、豚汁と豚がダブってしまっていたがその時と同じく、ここではサザエがダブってしまっている。
猫とトンビにねらわれて、「サザエの壷焼きよりも、焼きハマグリの方が良かったかもしれない」とつぶやきながらサザエを味わうところが面白い。
三度三度飯さえ食えれば人生安泰という雰囲気を醸し出すところが、かえって本来人生とはそういうものだったのではないかと納得させられる。


江ノ島丼セット 1300円    サザエの壷焼き 850円

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「ライフ・オブ・パイ」    リチャード・パーカーと言う名のベンガルトラと227日間(7か月と少し)漂流した少年 [映画]

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2013年1月25日 日本公開 126分  監督 アン・リー
少年パイが大人になり、小説家に奇想天外な話を聞かせ、それを書いてもらって小説がうまれた。
予告編を見てね
こちら公式サイト




以下内容に触れています  ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


動物園の動物たちをインドからカナダに移転させるための船旅の途中、家族が乗った船が大嵐で難破する。
生き残ったシマウマ、ハイエナ、オランウータンが次々に救命ボートの上に姿を現すが、最後に現れたベンガルトラが力関係で勝つ。
16歳の少年パイとリチャード・パーカーと名づけられたベンガルトラとが最終的に生き残り、227日間救命ボートで漂流する数奇な運命を、たたみかけて来るような映像美で見せてくれる。
初めのうちパイ少年は、ベンガルトラと救命ボートには同乗できないので、木切れでいかだを作り、それを救命ボートにつないでその上に危なっかしく乗っている。
鯨に飛び跳ねられて食料と水を流してしまい、トビウオの飛翔に出くわして怪我をしそうになるが、サメが出没しなかったのは運が良かった。
トラと同乗2.jpg
いかだ2.jpg

ベンガルトラが海に落ちて溺れ死にそうになった時、少年パイは彼が救命ボートに上がりやすいように台のようなものを置いてやる。
少年の素朴な魂が、父の作った動物園のマニュアルを熟読してそういう行動をとらせたのかも知れないが、少年パイが幼いころよりその神髄を感じて来たヒンドゥ教、キリスト教、イスラム教の教えによる生きとし生けるものへ対する哀れみの情が働いたのかもしれない。
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パイ少年


浮島に無数にある小さい沼の一つ
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ある時、パイとベンガルトラはミーアキャットが島を覆いつくす淡水の沼のある浮島にたどり着く。
水の澄んだ神秘的な淡水の小沼には魚が泳ぎパイはその中に飛び込んで泳ぎ心から癒される。
夜が迫って来るとミーアキャットたちはあわてて木の枝に登って来る。
少年パイが植物を手に取り花びらの中に見つけたものは、消化されていない人の歯だった。
植物は肉食植物であり、心を惹きつける小沼は夜だけ酸性に変わる人食い沼で、島全体が恐怖の浮島だった。


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少年は弱り切ったベンガルトラを腕に抱く。

少年パイとベンガルトラのリチャード・パーカーの乗った救命ボートはメキシコの西海岸に流れ着く。
ベンガルトラは、一度も後ろを振り向かず弱った四肢の力を振り絞って林の中へ消えていった。


☆生命保険会社の職員が調査に現れた時に、パイ少年はベンガルトラとの海の漂流を彼らに信じてもらえず納得のゆく説明を求められる。
動物と人間の心理学的な入れ替え話で何とか説明をせざるをえなくなる。
パイ少年がベンガルトラで母親がオランウータン、コックがハイエナ(だったか?)乗組員がシマウマなどと言って物語を具体的に作って切り抜けた。


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パイの物語 ヤン・マーテル作 竹書房文庫




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レ・ミゼラブル 警官シャベールの死 [映画と本]

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レ・ミゼラブル 」   監督 トム・フーパー 2012年12月21日日本公開  152分
<踊らないミュージカル その場で歌を録音したので自然な盛り上がりがあると言われている>
ジャン・バルジャン役   ヒュー・ジャックマン ポスター右上
時代は19世紀前半、国はフランス。

⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒ 以下内容に触れています⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒

前おき

ジャン・バルジャンがパンを盗んで19年も投獄され苦役を担わされたことはむごいことである。
作者のビクトル・ユーゴーの時代には、1日中働いてもろくな食事もとれない貧しい民衆が沢山いて、パンを一切れ盗んだだけで投獄され身を滅ぼしており、物語の中のジャン・バルジャンもその一人だった。
出獄しても黄色い旅券(身分証明書)の所持を義務づけられ、復職するのが難しく再犯に走るものが少なくなかった。
ジャン・バルジャンのように四回脱獄に失敗すれば、刑期が加重され19年になることは十分にあり得た。

警官シャベールは黄色い旅券(身分証明書)を破り捨てて姿を消したジャン・バルジャンを宿敵として追い続けていた。
ジャン・バルジャンは出獄した後、教会の銀食器を盗んで捕まったが、「私が差し上げたものだ」と司教に言われ再投獄を免れ無償の愛を知った。
ジャン・バルジャンは工場主、市長となって世に現れ、工場を止めさせられ娼婦になってテナルディエ夫妻に預けた娘のコレットに送金していたフォンテーヌの最後を看取りコレットを引き取った。
その間執拗に警官シャベールに追われる身となっている。

☆レ・ミゼラブルの1つの意味はしいたげられた人々、もうひとつの意味は見下げ果てた奴、憎むべき人々である。後者を代表しているのはテナルディエ夫妻と警官シャベール。明治35年(1902年)黒岩涙香(くろいわるいこう)が萬朝報(よろずちょうほう)にレ・ミゼラブルを連載した時に、ああ無情と訳している。


ジャン・バルジャンは常に貧しい者の味方になり、自分の身分がばれるかもしれないのに馬車の下敷きになった老人を助け、間違われて自分の身代りに投獄された男の無実を晴らした。
ジャン・バルジャンは、革命軍(少人数)に捕まった警官シャベールが殺されかけているところを助けて逃がした。
養女のコレットの恋人(革命側)を背負って下水道から逃れる時に警官シャベールと出くわしたが見逃してもらった。
お互いに命を助けあったジャン・バルジャンと警官シャベールだったが、今まで罪人を逃したことがなく、法を破るという許されざる行為の体験の無い警官シャベールの衝撃は、彼自身に打撃を与え心を底からゆさぶった。

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警官シャベール ラッセル・クロウ

警官シャベールは、徒刑囚として投獄されていた両親から生まれた。
出獄した両親は再び犯罪を犯しジャベールは両親を捕らえて投獄した苦い体験を持っている。
シャベールはやがて警察官となり、冷酷無比な法を忠実に実行するようになった。
両親の出身階層を嫌悪し憎しみから権力に盲目的に奉仕するロボットのような人間になって行った。


「ジャヴェル(映画では、警官シャベール)を驚かしたのは、ジャン・バルジャンが自分を許したことであり、彼をぼう然自失させたのは、彼自身がジャン・バルジャンを許した事であった。」
「ジャヴェルは警察の全ての規則に反し、社会上および司法の組織にそむき、またあらゆる法律にそむき、正しいこととして罪人(ジャン・バルジャン)を放免したのである。これはジャヴェル個人にとっては、しごく当然のことあった。しかし彼は私事のために公務を犠牲にした。あらゆる定理は、ジャン・バルジャンの前に崩れおちてしまった。」
「ジャン・バルジャンの寛大さは彼を圧倒した。」

ジャヴェル(映画では、警官シャベール)は、いつの間にかジャン・バルジャンを尊敬し讃嘆していた。
ジャン・バルジャンのことを慈善を施す悪人、敵を滅ぼすよりも自分を滅ぼそうとする高い徳をもつ人、人間よりも天使に近い囚人、・・・・ジャヴェルはそのような怪物が世に存在することを認めないわけにはいかなかった。
法律の正直なしもべジャヴェルが、一人の男ジャン・バルジャンを放免する罪と、彼を捕える罪との間に板挟みになった。
ジャヴェルが立っていたのはセーヌ川の岸の急流のそばであり、恐ろしい水の渦巻きが目の下にあった。
彼は暗闇の中にまっすぐに落ちて行った。

「レ・ミゼラブル」ビクトル・ユーゴー作 岩波少年文庫 豊島与志雄 編訳より


★一徹な澄みきった頭脳を持っていた彼(ジャヴェル)は自分の中の闇と共存するよりもそれを殺したかったのだろうか。
ジャヴェルには警官の仕事を止め、ジャン・バルジャンと共に第2の人生を民衆に捧げるという別の生き方もあったのではなかろうか。


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参考本
「レ・ミゼラブル」 上・下巻  ビクトル・ユーゴー作 岩波少年文庫
豊島与志雄 編訳
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マリーゴールド・ホテルで会いましょう   [映画]

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「マリーゴールドホテルで会いましょう」 
監督ジョン・マッデン 日本公開2013年1月 124分


イギリスのシニアたち7人が、インド(元イギリスの植民地)のリゾート地の高級ホテルと銘打ったホテルに残りの人生を託しにやってきた。
繊細だが意思強固、貫禄充分の女優ジュディ・デンチが、夫に先立たれ借金のために家を売り、インドに渡ってすぐに職を探し出すたくましい女性イヴリン役でさっそうと登場する。
イギリスで足の手術を待つと何年もかかるけれど、インドでは即手術できると聞き、屋敷のメイドをやっていたのだが加齢のためメイドの心得とやり方を仕込んだ若いイメイドにとって変わられお払い箱になったミュリエル(マギー・スミス)もやってくる。
恋とお金持ちのパートナーを求める女性、心が行き違ったまま別々に暮らすことになる1組の夫婦、かつてはインドに住み1人の親友(恋人)を忘れられないゲイの男性が、それぞれの思惑でホテルとは名ばかりの改善途中にあるマリーゴールド・ホテルにやって来てだんだん親しくなってゆく。
色彩や音が刺激的に心に挑戦して来るインドの町は熱気のあるエネルギーをもった人たちを抱いて明け暮れる。
階級制が根強く残るインドの、電話とシャワーの崩れたおんぼろホテルで、第2の人生をむかえるシニアの人たちはお互いを必要としているが、もし誰かがいなくなっても、その土地で縁ある人と巡り合い、まず一人で生きていける力をつけ始める。
住めば都だとはよく言ったものだ。
ホテルの経営者は、母親が認めない恋人と恋愛中のやる気十分なインド青年なのだが、名ばかりのおんぼろホテルを抱えて奮闘中である。
もと恋人に会えたゲイの男性はホテルで亡くなり荼毘に付される。



ジュディ・デンチとマギー・スミスの2人は「ラヴェンダーの咲く庭で」でヴァイオリニストの青年に恋する老女を演じていて印象深かった。
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「ラヴェンダーの咲く庭で」のジュディ・デンチとマギー・スミス

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「ジェーン・エアー」の中の召使い役 ジュディ・デンチ


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「ハリー・ポッター」の魔法使い マギー・スミス



★そこここの作品で見かけるジュディ・デンチとマギー・スミスの存在に魅かれてしまう。

★「指輪物語」J・R・Rトールキンのゴクリの場面を読むのは、火山のマグマに墜落したところでひと段落し、再度最初からフロド・バギンズの旅の道の風景を追って読んでいる。
★個人的には、歌舞伎の「檜垣(ひがき)」の老女の亡魂(亡霊。舌と口の中が真っ赤に塗られている)の執念と心地よい和楽器の鳴りもののオーケストラに驚きと悲哀と和みを感じている。
★デイカー・ストーカー(ブラム・ストーカーの甥の曾孫)の新「ドラキュラ」上下巻(115年目の公式新作・2013年1月25日初版発行)思いがけない進展も興味深い。
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