So-net無料ブログ作成
検索選択

鬼平犯科帳その(2) 「むかしの男」1-19 鬼平のかっこいいせりふに魅了される [映画・テレビ]

原作・池波正太郎の時代小説をテレビドラマ化した鬼平犯科帳の台詞はほんとうに心にしみる。
個人的な好みは鬼平(長谷川平蔵)を二代目中村吉右衛門がやっているのが好きであり、見あきないので途中で切り上げたりしないで済む。
鬼平が周囲の者に心を砕き温かく包み込むところにほろりする。
池波正太郎の「剣客商売」や「仕掛け人・藤枝梅安」も面白いので並行して見ている。
いずれの物語も江戸時代の旨いものが出て来て献立をとうとうと述べみんなして美味しく食べるので、うらやましく
見とれる。
ひとくせもふたくせもある盗賊たちが数多く現れ、鬼平と絡んで立ち回るので見逃せない。


鬼平の妻 久栄(ひさえ) 旗本の娘    多岐川裕美
久栄1.jpg



鬼平は盗賊をとらえるために甲州へ行って留守にしていた。
さて久栄がまだ若い頃、隣家の侍の近藤唯四郎にもてあそばれて捨てられていた。
近藤唯四郎は悪行がたたり、落ちぶれ果て、今では盗賊の手先になり、盗賊改めに捕まった仲間を取り戻すため久栄に言い寄り、さらに遊びに来ていた久栄の妹の子供と女中をさらったのだった。
近藤唯四郎は凛とした久栄には相手にされず、家来や息子によって捕えられ蔵(牢)に入れられるのだった。

久栄4.jpg



鬼平のかっこいいせりふには胸のすく思いがする。
鬼平密偵.jpg

もどってきた鬼平と捕えれられたむかしの男の近藤唯四郎の会話が捨てがたい。
蔵(牢)の外では久栄が2人の会話を聞いていた。

鬼平 「何がおかしい」


近藤唯四郎 「久栄をはじめに女にしたのはこの俺だ」


鬼平 「それがどうした、だからどうだと言うのだ。
     そんなことは百も承知だ。承知の上で久栄を娶ったんだよ。
     久栄はおもちゃにされ、傷ものにされて捨てられた。
      だがな、久栄はおれの女房となって、生まれ変わったのだ。
     おめえの覚えている久栄は抜け殻同然の女だ。
     あの時、久栄の親父殿がもう嫁にやれぬとあんまりこぼすんでな、よしそんならおれがもらおうと
     言ったんだ。     
    よくよく考えて見ると、とうの昔から久栄に惚れていたんだな。はははは。
    惚れなきゃあ駄目だ、女にゃあ心底惚れなきゃあ、女のほんとうの値打ちはわからねえ。
    俺もお前さん同様さんざん道楽はしたが、命がけで惚れたのは久栄たった一人だ。
    久栄をほんとうの女にしたのは、この俺だ。
    それがわかっているのは世の中、俺と久栄のたった二人きりだ。
   
    こののち2人の間で近藤唯四郎のことが話題になることは一切なかった。
     


柴犬カンチの足跡日記 何時も可愛いカンチちゃんから目が離せない
http://blog.livedoor.jp/kanchi_m/


nice!(280) 
共通テーマ:映画

中村吉右衛門(二代目)の「鬼平犯科帳」 その(1) [テレビ ドラマ他]

鬼平犯科帳ポスター1.jpg
時代小説 池波正太郎

何よりも江戸の火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)の長谷川平蔵の包容力と寛容な人間性と鋭い観察眼の魅力で成り立っているような物語である。
長谷川平蔵の恐れを知らない瞬発力と事件の流れの背後にある人の心理を汲み取る力は無頼派であったころの体験に培われている。
長谷川平蔵は京都西町奉行の息子だったが、妾腹であったため、もろもろの事情により、若いころは無頼漢として放蕩三昧の日々を送っていた。
筋の通った義侠心を持った盗賊や平蔵のために働く密偵たちの家族のことまで気遣いを見せ、密偵が殺された後の家族の面倒まで見ている。
物語の中の人物に対してしてどのような言葉使いをしどのような配慮がなされるのか楽しみになるくらいだ。


鬼兵の仲間.jpg

第1シリーズから第9シリーズまであり(130話ほど)、スペシャル版もけっこうあるので(15話ほど)まだ見終わっていない。
30話ほど見た中で印象に残ったのは、幼い娘のために命を失う元盗賊(火野正平)の話「影法師」。
もう一つは夫婦になる約束を交わした旅商いをしている男(小澤征悦・盗賊と商人の2役)が自分の夫を殺したおたずね者の盗賊熊五郎なのかもしれないと言う疑いを持ったお延(寺島しのぶ)の話「熊五郎の顏」だった。
心が揺り動かされる手短には語れないもったいない話味わい深い話なので後述しようと思う。
いずれ劣らず心に深く残る物語なのだった。


鬼平を助ける密偵を務めるおまさ(梶芽衣子)や小房の粂八(蟹江敬三)、伊三次(三浦浩一)の江戸時代の言葉が心の内容をずばり言い当てていて気持ちよい。


目をつけた商家に盗賊たちが盗みに入るために、仲間を奉公人として何年も前から内部に送りこむことを引き込みと言い、家の間取りや奉公人の数を外部から探るのを嘗役(なめやく)と言って、嘗役が持っている書きつけ(ノート)は売り買いされる。
昔も今も情報は売り買いされている。


エンデイング曲 「インスピレーション」  ジプシー・キングス
春夏秋冬の庶民の生活を背景にしている。




柴犬カンチの足跡日記 お盆を過ごすカンチママがかわいい。
http://blog.livedoor.jp/kanchi_m/




nice!(280) 
共通テーマ:映画

ジブリ最新作「思い出のマーニー」 血族の愛 [映画]

完全に内容に触れています
どこかで聞いた事があると思われた歌や流れる曲は「アルハンブラ宮殿の思い出」でした。


アンナ.jpg

喘息の転地療養のため、ひと夏の間だけ12歳の杏奈(アンナ)が、養母の親戚のある北海道の海辺の村にやって来て、古ぼけた洋館(湿っ地屋敷・しめっちやしき)に住む少女マーニーと時を越えて出会うお話である。
杏奈は、自分を育てるために養育費を受け取っている養父母を許せない自分のことが大嫌いだった。


西洋館1.jpg
古ぼけた西洋館
杏奈は散歩の途中で、誘いこまれるように古ぼけた西洋館(湿っ地屋敷)を見つけマーニーと言う金髪の美しい少女に出会った。


マーニー.jpg


マーニーは杏奈の実の祖母(故人)であり、時空を超えて西洋館で出会ってしまったのだった。
マーニーの父母はマーニーが幼いころから、仕事や海外旅行を理由に舞踏会を開く以外にはほとんど家におらず、マーニーの不安は、ばあややメイドから受けるいじめによって強くなるばかりであった。
マーニーは雷が落ちる暴風雨の中、ばあややメイドからサイロに閉じ込められ、少年が助けに来る(後日マーニーはその少年カズヒコと結婚する)と言う体験から来た悪夢にうなされていた。
このシーンはマーニーと杏奈が悪夢を共有する場面であるが、途中で杏奈がいなくなるのだった。
マーニーの少女時代に杏奈が入り込む時にはそこに確実に存在すると言う感じになるのだが、はっきりした理由はわからないがサイロにいる時には杏奈の影は薄いように感じられた。




思い出のマーニー1.jpg

両親の愛情を一身に受けられず、不安な体験をひきずったまま大人になれない少女たち(マーニーと杏奈)は西洋館を軸にした異空間で会い続ける。

スケッチ.jpg
杏奈のスケッチブックに描かれたマーニー


杏奈は画家の久子さんから、結婚後のマーニーが病気で夫を失い、病気がちなマーニーが寄宿学校に入れざるをえなかった娘のエミリとは不仲であり、エミリ夫婦が孫娘を残して交通事故で亡くなってしまったことを教えてもらう。
西洋館を買い取った家族の娘のさやかから今は亡きマーニーの日記を見せてもらったりもする。
私(ブログ主)は、ちゃめっけがあり明るい性格のさやかの登場でさわやかな現実感を取り戻すことが出来た。


孫(杏奈)とマーニー(故人)は西洋館で出会いお互いの愛情を確かめ合い許しあいます。
代々続いてきた家族たちの犯した罪(足りない愛)によって枯れて行った心を見つめ直し、そのことを気づいた血族たちが2人の声を借りて許して欲しいと叫びあう(ブログ主にはそう思えた)のはほとんど祈りだった。
やわらかく輝かしい表情のマーニーは西洋館の窓辺で杏奈にお別れの手を振ります。
この後、杏奈の養父母との関係も、転地療養に来た土地で知り合った近所の少女との折り合いも改善されました。


小説やアニメの夢の中のお話でこそ出会える西洋館のできごと。
現在生きている人間が、過去の肉親に会って伝えたかったことをお互いに伝えあうことが出来る幸せ。
ほんとうに亡くなってしまった血族にもう一度会えたらどんなにいいだろうと思ってしまった。
杏奈とマーニーが会えたのは、奇しくもお盆の行事である「ローソクおくり」(先祖の霊を迎え入れる)の日からでした。



★最近見た劇場映画 「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」 「アナと雪の女王」
 よい意味で、いかにもと言う強調が感じられました。



★柴犬カンチの足跡日記http://blog.livedoor.jp/kanchi_m/

nice!(305) 
共通テーマ:映画