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高貴な女性と妻、2人の怨霊にであった源十郎その(1) 映画「雨月物語」 [映画]

雨月物語

監督 溝口健二
脚本 川口松太郎・依田義賢
(他割愛)
若狭 京マチ子
宮木 田中絹代
源十郎 森雅之
右近(乳母)毛利菊枝
阿濱(おはま)源十郎の妹 水戸光子
藤兵衛 阿濱の夫 小沢栄

映画には、上田秋成の「雨月物語」の中の「浅茅が宿」と「蛇性の婬(いん)」の内容が盛り込まれているほか、モーパッサンの「勲章」も、出世を望む義理の弟の藤兵衛(阿濱の夫)のこととして取り込まれている。


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<怨霊 若狭編>
戦国時代、近江の国琵琶湖の北側に住む源十郎は、妹夫婦とともに市が立つ長浜に焼き物を売りに来ていた。
静かに近ずいてきた高貴な女性の若狭と右近(乳母)に、朽木(くつき)屋敷まで焼き物を届けるように頼まれたが、屋敷への道がわかりにくかろうと迎えに来た2人の後について行き、大そうなもてなしを受けることとなり若狭の魅力のとりこになってしまった。
若狭と右近(乳母)は、織田信長に滅ぼされたという朽木(くつき)一族の怨霊であった。
源十郎は、若狭の美しい容貌のみに惹かれたわけではなく、話しかけてくる言葉にも人を惹きつけるものがあったからこそ屋敷にとどまってしまうことになったのである。
また若狭が他の誰でもなく、源十郎に声をかけたのにも理由があったのである。



ほめる.jpg
★<怨霊の若狭が源十郎に声をかけた理由>
どうしてあんなに美しいものができるのかお目にかかってお話が聞きたかったのです。」「あなたの焼いた器で、お酒が頂いてみたくなりました。

★<源十郎(妻子持ち)が、いたくありがたがり若狭から離れられなくなってしまった理由>
「あなた様のようなお美しいお方のお手に(焼き物が)触れるかと思うと、夢のような幸せでございます。」「自分の作ったものが、これほど美しく見えたのは初めてです。」



<若狭と源十郎のせりふ>
若狭 「雑踏の中でむしろに並ぶ焼き物を見た私は、自分の目を疑いました。青ぐすり(釉薬)のきら
きらと光っているのが、水晶をちりばめたように見えるではありませんか。
私も父(朽木さえもん一族・映画の中では信長に滅ぼされている)に教えられて少しはものを見る目持っています。
どうしてあんなに美しいものができるのかお目にかかってお話が聞きたかったのです。 人に伝えてはならぬ秘伝でもあるのですか。」

源十郎「いいえ、秘伝と言うほどのこともありませんが、くすり(釉薬)のかけ按配や土の扱い、長年の手慣れでございましてね。」

若狭「手慣れの末の美しさ、すぐれた腕の御方からはじめてあんな美しいものができるのでしょうね。」

源十郎「畏れ入ります」

若狭「あなたの焼いた器で、お酒が頂いてみたくなりました。」あなたの腕は貧しい片田舎にうずもれて終わるものではありません。あなたは持っている才をもっと豊かにしょうとお思いにならなければ。」

源十郎「それにはどうすればよろしいのでございましょうか。」

右近(乳母)「若狭さまとお語らいなさればよい。又(またこの次)と言わずこの折に御契りなされたら良い。


朽木(くつき)屋敷の幻想的なたたずまいや若狭の舞の映像美、鎧の中から聞こえてくる若狭の父(霊魂)の謡いが陰々と響くさまは「わびさび」の世界を感じさせるものがあった。
あいらしい.jpg
次回は源十郎の妻、宮木のセリフを味わって見ることにしたい。
宮木は夜盗に殺され、霊魂となって夫の源十郎を家で待っている。


★急にソネットブログのパスワードが使えなくなり、原因がわからないのであわてた。
先日取り換えたばかりのキーボードのあ版・A版の調子がまたもや狂ったのかと落ち込んだ。
ソネットからメールで送られてきたパスワードを変更するページに、パスワードは定期的に変えたほうがいいと書いてあったので、なんとなくパスワードを変更したらうまくいった。
パソコンの知識が乏しいので何かあるたびにひやひやしている。



柴犬カンチの足跡日記 飼い主に捨てられた犬レン君に、面倒を見てくれる人が見つかりました。(*^_^*)
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映画「亡霊怪猫屋敷」 2012年に投稿したものの手直し [映画]

原作 少女の友連載「山茶花屋敷物語」(昭和26年・27年) 藤崎彰子 
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少女の友 昭和26年10月号

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小説版「怪猫屋敷」(偕成社) 橘 外男 (昭和28年)




映画「亡霊怪猫屋敷」 
現代編 白黒  
時代編 カラー
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「亡霊怪猫屋敷」 
監督 中川信夫  公開1958


<現代編 白黒> 
夫(医者)・細川俊夫  
妻・江島由里子 
怨霊の老婆・五月藤江  
和尚・杉寛
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医者の久住哲一郎は、妻頼子の転地療養のために、東京から北九州に移り住み開業する。
うっそうとした草木の中にたたずむ古い屋敷は薄暗く、何処からともなく霧のように現れた白髪の老婆が、嘘の往診を頼んだり、番犬を殺したりして妻頼子を一人にしたあげく、頼子の首を絞める。
村の和尚が語るところによると、その昔古い屋敷は、こでまり屋敷と呼ばれており、短気な大村藩の家老の住まいであった。(テレビの同じストーリーの怪奇番組では、椿屋敷と言っていた。)

○現代と昔の2話が1つにつながった物語になっている。


<時代編カラー>
竜胆寺小金吾・中村龍三郎  
母宮路・宮田文子  
老母と化け猫・五月藤江 

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家老は、元々短気な性格で、囲碁指南役の竜胆寺小金吾を、囲碁の勝敗がもとで斬り殺し、小金吾の死体を壁に塗り込めてしまう。
それを知った 小金吾の母の宮路は、家老宅を訪れたが、家老に辱めを受けたために自害し、飼い猫に自分の血をすすらせ、家老の血筋を、家来も入れて末代まで呪い、絶やしてしまうように言い残す。
怪猫は、家老の母(五月藤江)にとりつき、行燈の油をなめているところを見てしまった女中をつかまえてバック転をさせたりして猫がじゃれつくように踊らせる。

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行燈の油をなめているところを女中に見つかった化け猫が、女中にバック転をさせている。


孤独.jpg
自害した飼い主の血をすすり、化け猫になっってしまった猫(おたまちゃん)の孤独が哀れ


化け猫や亡霊の出没で、家老は気が狂い、家来や息子にも刀を振り上げ斬りかかる。
家老の血筋はこの世から絶えてしまう。
家老といっしょに竜胆寺小金吾を壁に塗り込んだのは、家来の佐平治と言う者だった。
そして佐平治の末裔が医師の妻の頼子だった。


<現代編にもどる>
医師と頼子の目の前で、こでまり屋敷の壁が崩壊し、塗りこめられていた竜胆寺小金吾の白骨死体が崩れおちてくるありさまは哀れである。
菩提を厚く弔らったので怪奇現象は起こらなくなった。


★ストーリーだけを追って書いた。
個人的なことになるが、なるべく卑小なつたない体験やにぶい感覚で映画を嗤いながら、くささないように気をつけた。これは自分だけにかかわることである。
1)上司の癇癪(かんしゃく)で命を奪われた者たちの恨みは深かった。
2)飼い猫に、化け猫になってもらうしか仇を討つ手段がなかった。
3)自分の誇りを守るために、自害をも辞さない覚悟があった時代だった。
4)化け猫とは、さみしい怨念の視覚化されたものである。
 

覚書メモ
★パソコンのキーボードの上に水をこぼしてしまい、バックスペィスや半角全角が機能しなくなり、しばらく文章が書けなくなってしまっていた。
パソコンが重かったのは古くなったキーボードのせいだったのか、キーボードを取り換えたところサクサクいけるようになった。
★映画「雨月物語」は、夜しかパソコンに向かえない日にはくたびれて寝てしまったり、雨風の強い暗い日にはDVDを怖くて見ることができなかったので、まだ投稿できていない。(怨霊たちの声が怖い)
★早く死にたいと言っていた小説家の車谷長吉氏(故人)が回答者になっている人生相談「破綻して初めて人生が始まるのです」(車谷長吉の人生相談 人生の救い 朝日新聞出版)が面白い。


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自傷行為をする捨てられた犬の里親を探している人たちがいる。
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「進撃の巨人」「ジュラシック・ワールド」 [映画]

映画「進撃の巨人」(前篇)
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うすきみの悪い巨人たちが、人間を襲って取って喰う、得体のしれない残酷な映画だった。
巨人たちは、大きな口を開け、人間を丸のまま口の中に入れるか、食いちぎって引き裂き食べてしまう。人間を食料としか思っていなくて、顔の表情も怪しく狂っている。
この突然現れた理不尽な恐怖の巨人は、何の象徴だろうか。何を表わしているのだろうか。
巨人たちに食われないように、生き残った人間たちは、高く分厚い壁を居住する土地に3重にめぐらしているが、超巨大な巨人が現れて壁を打ち崩してしまう。
どこかで見た光景だと思った。画家のゴヤの絵を思い出した。
金魚を喰らうサトゥルヌス.jpg
ゴヤ 「金魚を喰らうサトゥルヌス」  「わが子を喰らうサトゥルヌス」と言う生々しい絵もある





映画「ジュラシック・ワールド」
ジュラシック。ワールド.jpg

本物の恐竜を体験できるテーマパークは、興味を持って何度も訪れる人々を増やすために、遺伝子操作をして大型恐竜インドミナス・レックスを生みだし、隔離して様子を見ていた。
その大型恐竜が逃げ出し、そこに集まった家族づれやパークの職員たちを襲う。
兄弟(16歳と11歳)の少年が大型恐竜インドミナス・レックスに襲われ、美しい叔母(パークの監督)や恐竜の行動に詳しい元軍人の男性が助けに走り回る。
大型恐竜インドミナス・レックスは、他の恐竜を、ほとんど狩りの楽しみを味うためだけに殺す。
この映画では人間が恐竜たちに襲われるところはあるにはあったが、圧巻なのは水中にいる大型恐竜が餌の恐竜を飲み込む場面だ。

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テーマパークの一番人気の見世物


★今日は日本が敗北した終戦の日。母は現在87歳。
曾祖父母や祖父母や母たちの暮らす家は、糸満市の糸満(現在は母の従兄が住んでいる)にあった。
祖父の仕事のために祖父と母だけが、台湾に渡っていたので、母はひめゆり学徒隊には入っていなかった。
母がもしひめゆり学徒隊に入っていれば、命はなかったかもしれず、私もこの世に生まれていなかったかもしれない。
沖縄戦の時に沖縄の祖先の亀甲墓は爆破された。


★ぼんぼちぼちぼちさんのブログで知った、作家車谷長吉氏の小説を5冊手に入れ、読み始めた。
五感の底の痛点を刺激し、切り込みが深い。
流れ出る粘液や血、その痛みの悲しさによって闇が見えてくる。
「赤目四十八瀧心中未遂」 「世界一周恐怖航海記」 「人生の四苦八苦」 「人生相談 人生の救い」 「妖談」。
川本三郎氏いわく、口当たりのいい作品が多い現代文学にあって、異物のように傲岸と規律している。異彩を放っている小説。
★私はこの何年か、自分自身を含めて、詩においても幾重もの闇を通った濾過された言葉を要求するようになっている。



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都会や国外に散ってゆくわが一族 & 最近見ているNHKテレビドラマ「情熱のシーラ」 [覚書]

<父方の一族>
極めて個人的なことであるが、同じような環境で育ち、似通った生活をして来た人々は星の数ほどいるに違いないので、そういう人たちからはある程度は共感を得ることができるだろう。
生きてきた環境がまったく違っていても、体験はどこかでつながっているはずなので、内容は違っていてもおおよその好悪の予想がつき理解に至ることもあるだろう。

★外野席の私は想う「前置きが長すぎる。何を言っているのかわからない。」と

没落した一族の悲壮感。
ヘッセの小説「車輪の下」に一貫しているあきらめと絶望感。
同じものを持った一族は、他の人に対して小言が多い。
そうでない者は(女性たち)一見表向きは明るくふるまうので、積もり積もった重圧で精神的疾患になりやすい。
実父を例にとれば、周りにいらぬ緊張感を持たせ、身内にはしょっちゅう暴力をふるい、言葉の暴力などは日常茶飯事であった。


さて田舎の農家の二男や三男や四男や五男は貧しい山村では働き口がないので、必ず都会に出る。
4人もいる叔父たちは大阪東京に出てそれなりに暮らしていてはいるが、だんだんに交流が途絶えてゆきがちになってくるのだ。
実父は、自分の憂鬱さで人を避けていたい時やめんどくさい時に「迷惑をかけるな」と相手に言い交流を断わっていた。
人間どうしの交流で迷惑をかけないでいることはできないので、まるごと会えなくなってしまうということだった。
めったに会えないそういう親類の人たちに対して、私は大いに迷惑をかけあいたいと思っていた。
しかしながら何かの集まりで、その人の家に行くことは迷惑をかけてしまうことになるらしく、なんだかんだと言い訳をして葬儀以外は、集まろうとしないのである。
今現在のようにちりじりばらばらになって、音信も不通になり、やがてはそこここの場所で消えてゆかねばならないのだった。





「情熱のシーラ」NHK総合(日曜日 11:00~11:50)8話まで終了
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スペインマドリードの優れた洋裁技術を身に付けたお針子の女性シーラが、婚約者がありながら、魅惑的なラミーロと恋に落ち、モロッコに移住する。
ラミーロには裏切られ、流産し、内戦が始まってしまったスペインには帰れず、モロッコでオートクチュールの店を開き、ナチスドイツの高官たちの妻を客に持ち、イギリス秘密情報機関からスパイになるように依頼される。
(ダウントン・アビー シーズン3の後に始まったテレビドラマ。シーラの友人の芸術家や警察署長、新聞記者などの男性との会話が興味深い。)


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