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再読中  小説・エッセイ・メモ・評伝 島尾敏雄・島尾ミホ  [本]

魅力的な最高傑作 2度読みの最中
島尾ミホ・島尾敏雄 愛の戦い 
ブログ主は、まだ、なまなかな言及さえもできない状態にあり、失礼いたします。


島尾ミホ 「海嘯」 銀河叢書
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島尾ミホ エッセイ集「愛の棘」 幻戯書房
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島尾敏雄 「死の棘」新潮文庫
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島尾敏雄 「死の棘」日記 新潮文庫
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「狂うひと」梯久美子 新潮社 
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「死の棘」の愛人の正体は?本当に狂っていたのは妻か夫か。



最近見た劇場映画
「キングコング:髑髏島の巨人」抜群に面白かった!最高だった!
「ゴースト・イン・ザ・シェル」
「パッセンジャー」

柴犬カンチの足跡日記  13歳のカンコちゃんの幸せな毎日
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(2)山の霊異記「ヒュッテは夜嗤う」(安曇潤平・著  幽ブックス メディアファクトリー [本]

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★20話ある中で、身近に感じられ、少しばかりリアルに想像できる話を1つ選んでみた。
ぼんやりと過ぎていく日常生活の中でマンネリ化しふやけていく生命感。
山でも海でも命を落とす危険は紙一重だが、そのぐっとくる緊張感の一歩一歩を味わいたい。





< 「隧道」(すいどう) トンネル  「ヒュッテは夜嗤う」安曇潤平 より一部を抜粋 >

ガイドブックにも載っていないような秘境にある無名の山を見つけては、出かけてゆく3人の男たちがいた。
雨に降りこめられたため、今は廃線になっているが、昔はダム建設のため資材輸送用に使われていた鉄道のトンネルの中を通ってみることにした。
真っ暗なトンネルの中をヘッドライトをつけて進むうちに、左に一本のわき道があるのに気づいた。
地面にたまり始めた水が、くるぶしあたりにまできたので、道がVの字に傾斜していない限りこんなことは起こらないはずだといぶかしく感じた。
不安な気持ちに襲われたので、2人がトンネルの先の方を偵察することになったのだが、2人は背中まで水につかってしまった。
残された1人は、先に進んだ2人の背後に何人もの人影を見た。

「他の人たちって?」
「先輩たちといっしょにいた人たちですよ。」
「おいおい。おかしなことを言うなよ。おれたち以外、人なんていなかったぜ」
ヘッドライトの先を見て悲鳴を上げた。
トンネルの先から、大量の水がこちらに向かって濁流のように押し寄せてきた。
しかも、その濁流の中を瞳のない窪んだ眼で大きな口を開けたミイラのような風体をした何人もの人間らしき塊が、水から上半身を出して両手を上げながら3人に向かって進んでくるのだ。

先ほど見つけた一本のわき道に座っている老人が手招きをしている。
3人がわき道に入ると、間髪を容れずに、濁流とミイラのような真っ黒い塊の群れが、まっすぐ前を向いたまま人のものとも獣のものとも判断のつかない異様な唸り声をあげながら、目の前を通り過ぎて行った。


★まわりで何が起ころうとも朝までぐっすり。 
丑三つ時(午前2時~2時30分ごろ)に寝ぼけて幽霊にあいさつをするタイプ。友人に欲しい。
くま.gif
原 みつるさん作



「ヒュッテは夜嗤う」
目次
1)5号室 2)隧道(トンネル) 3)幻惑の尾根 4)異臭 5)呼ぶ声 6)リフト 7)豹変の山  8)赤い靴
9)スノーシュー  10)ピッケル 11)ツエルト 12)噂の公園その一 13)噂の公園その二 14)境界線
15)猫の山 16)鹿乃牧温泉 17)終焉ンの山 18)仙人ンの山 19)古の道 20)息子 


<きわめて個人的メモ>

映画
★最近鑑賞した劇場映画
「杉原千畝」(すぎはらちうね)

音楽
★1つのCDを1週間から1カ月聞き続ける。
 リコーダー 天賦の輝き ミカラ・ペトリ
 家族トリオ  リコーダー (ミカラ・ペトリ)  母(チエンバロ・ピアノ)  弟(チエロ)

(曲名)
無窮動・グリーンスリーヴズ (トウ・ア・グラウンド)・勝ち誇るウグイス・恋のウグイス・天使のナイチンゲール・ 蚊の踊り・ミツバチ・くまんばちの飛行など22曲



<各器官のおとろえによる、ひじょ~に個人的な感想。>
★古い映画はゆっくりとした懐かしいテンポを味わえるが、まどろっこしくて時々退屈。
★最近のものはテンポが早く、字幕を読むのが精一杯。時々退屈。



柴犬カンチの足跡日記  愛犬は、兄弟姉妹にも子供にも孫にもなってくれる。
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(1)山の霊異記 「ヒュッテは夜嗤う」 安曇潤平・著  幽ブックス メディアファクトリー [本]

夜嗤う.jpg
山の霊異記 「ヒュッテは夜嗤う」 著・安曇潤平 2013年5月29日(初版) ¥1400+税 
※ヒュッテとは山小屋のことです。ドイツ語。



<あとがきにかえて>より、一部を抜粋

特に高い山に登った場合、恐ろしい体験にいちいち付き合っていられないのが本音である。
まして冬山ともなれば、その困難さは夏山とは比較にならないものになる。略
僕にとっては、山の中にいるときは、死に対する恐怖が一番上にくるのだ。略
僕はなぜか寝袋から抜け出して横になっていた。体の自由が利かない。略
その時突然、誰かが僕の左右の足首をギュッと掴んだ。略
なんと二本の腕が外からテントの中に突き出て、僕の足首をつかんでいるではないか。足首をつかむ手に力が入り、僕はその腕に引っ張られてテントの外に引きずり出されそうになった。略
その時、僕の心にわいたのは恐怖ではなく、猛烈な怒りだった。略
「おめえに付き合っている暇はねえんだよ。とにかく眠らなきゃあいけないんだ。頼むから放っといてくれよ!」略
「悪かったな」 テントの外から小さな声が聞こえた。

★山で遭難した人の霊としゃべったあげく、追い払った人は珍しい。
★山の霊異記 「ヒュッテは夜嗤う」は、次回(2)に続く。


何が起こっても朝まで気づかない人もいる。いてくれると楽しい。
ぶた.gif
原みつるさん作




★昨日、道に人っ子一人いない、誰も行かない、故郷の山の小さな滝2つと崖を写真におさめてきた。
この崖のところどころは硫黄の色をしている。
この崖は、私が母から生まれる、血液臭い胎内(なんと私は、夢では崖の中から生まれる。苦しい。産婆さんの声もする) の夢の中に出てくる。何度も見る夢だ。



柴犬カンチの足跡日記  愛されているわんこ。毎日、体を拭いてもらってピカピカ
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「鳥の仏教」 中沢新一著  新潮社 [本]

鳥の仏教.jpg
「鳥の仏教」 中沢新一著  新潮社

原みつるさん.gif
原みつるさん作

最近友人の一人から共感の感想をメールでいただいたので、「鳥の仏教」を再投稿してみた。
あろうことか本人は全く忘れていたので、新しい体験としてもう一度読んでみている。


「鳥の仏教」は、チベット人の仏教徒によってチベット語で大乗仏教の経典を模して書かれたものだ。
カッコウに姿を変えた観音菩薩が鸚鵡の呼びかけにより、ハゲワシ、鶴、カラス、雁、セキレイ、ライチョウ、鳩、フクロウ、オス鶏、ヒバリ、孔雀、ウズラなどと対話する。
鳥たちは鳴き声を上げながら、その音声に意味を込める。
鶴の鳴き声「スンゴ―」は、守らなければならないという意味。カラスの鳴き声「トッキョン」は、救いが来ますと言う意味。フクロウの鳴き声「ウトゥ ウトゥ」は、なんと哀れなと言う意味。
鳥の数ほどの叡智の中の最高のものは、「他の生きものを助けるような生き方をした時だけ、あなた方は真実の幸福を得ることができるでしょう」だった。
一貫して世の無常を繰り返しているのは、「白骨の御文・蓮如」と教えが相似している。
実際のところは読み手の資質(バックボーン)で感じたり理解したりするわけだが、「鳥の仏教」は現代人の私にとっては第一にさわやかで森の中の静かな沼に太陽や月が移り込んで輝いているような、また異国情緒たっぷりな桃源郷の塔に陳列された芸術作品を観るようであった。
古代人は、現実世界の意味を把握するために、時間と空間が融合する神話的思考を自然と行っていた。
現実と神話の間を行ったり来たりするようなあり方は、昔のチベットではよく見られていた。

<以下本文より>
「動物には、人間と同じように心があり、その心にはしばしば人間を凌駕する特性が宿っている。~略~人間の理想とする菩薩の徳性と、本質においても同じものである。」~略~「神話の思考には、人間の心と動物の心とに共通の基体のようなものがあり、その部分を通じて両者はお互いの間に共感やコンミニュケーションの通路を開くことができる。この基体のことを祖先の時間、神話の時間、夢の時間とよんでいた。それは普通の状態では、現実の世界の表面に現れることはないが、現実の潜在下にあって、絶え間ない活動を続けている」~略~「ブッダにとっては、人間だけがダルマ(法 教え)を知ることのできる特権をあたえられているのではなかった。鳥も、虫も、魚も、ウイルスもすべての生きものがダルマの心理を理解して、自分を拘束している生存条件からの自由を果たす資格を持っていた。」
ウイルスもと言うところがすごい。



★山の怪異譚「黒い遭難碑」(安曇潤平著)は、私鉄電車やバスやJR電車の中で読んでいる。
山岳怪談実話のトンネルの中の急な増水やうごめく影、トロ(渓流釣り用語で水の流れ穏やかな深い淵)のそばで語り合う体のどこかしらがない人々の(死者たち)や山中で追いかけてくる乳母車などは相当怖い。
※後日紹介予定

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★山歩きをする人には、「闇屋」と言う夜の闇の中を単独行する人がいるそうだ。
奇妙な体験は当たり前のことで、山ではどこからともなく子供の歌うわらべ歌が聞こえてくることもあるそうだ。
(「黒い遭難碑」 解説 中野純氏)より


柴犬カンチの足跡日記 カンちゃんの人間力!
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安曇潤平(あずみじゅんぺい)   山の霊異記「赤いヤッケの男」 極上の山岳会談実話 [本]

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山の霊異記「赤いヤッケの男」(26話)  安曇潤平・著  MF文庫 ダ・ヴィンチ ¥619


日本の山にまつわる怪談奇談を集めた本。
作者自身が体験した話もあるし、山仲間や、あるいは一杯やりながら山小屋のオヤジから聞いた話もある(まえがきより)

★どんなに低い山でも、思いがけないことが起こる場合がある。
石が落ちてきたり、雷や霧に出会い道を失い、川にはまったりすることだってある。
いつ命を落とすかもわからない緊張感と不思議な話を聞くことができると言う類まれなる体験ができるということで、最近、山の霊異記本に興味を持つようになった山育ちのブログ主である。
★キジ打ちとは登山用語で用をたすことだと言うことを知った。


原みつる.gif
原みつるさん作


ザックがもたれかかっているはずがない。
何か言い知れぬ恐怖を感じて、谷山は自分の右肩を見た。 
何があったと思う?
赤いヤッケの男さ。
(本のカバーの裏に記されていた、赤いヤッケの男の文章の一部)
★運べそうにないので山に置いてきたはずの遺体がそこにあった。
下山する途中で遭難し、救助隊に助け出された自分が背負ってきたものらしい。

山そのものより山麓の地酒とその土地の珍味を愛する私は、登山を趣味とする他の人々と違って、山行きを共にするよりも、居酒屋で山の仲間と顔を合わせることのほうが多い。
(「赤いヤッケの男」 八号道標の冒頭より)


安曇潤平氏のサイト 裏自己紹介(北アルプスの風)
http://www.cam.hi-ho.ne.jp/junpei_s/kaidan-jiko-shokai.htm

4歳。トンボを捕りに行った夕暮れ。大池から突き出す小島の先で、刃の先を水面に浸す甲冑を着た武士の姿を見る。畠山重忠が戦の前に水溜りで刃を洗ったところ、その水溜りが大きくなって大池となったという、地元に伝わる伝説を知ったのは小学生になってからのことである。(裏自己紹介より)
★異質な自己紹介を読むだけでも、こんな世界があるのかと怖くて面白くて興味深い。

安曇潤平氏の他の本「黒い遭難碑」「ヒュッテは夜嗤う」
現在は、「ヒュッテは夜嗤う」を読んでいるので、後ほど御紹介。



柴犬カンチの足跡日記  カンちゃんが住む北海道に冬到来
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「山の不可思議事件簿」 上村信太郎著 山と渓谷社 [本]

世界中の山と登山にまつわる怪現象、不思議、謎、奇跡、魔の山、神秘と伝説、怪談、怪物など、定番的な山のエピソードを紹介。(本の帯より)
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「山の不可思議事件簿」上村信太郎著 山と渓谷社 900円(税抜き)
初版2015年10月15日

「山の不可思議事件簿」は新聞や雑誌の記事から集めたもので、1991年に出版された上村信太郎著「山のふしぎと謎」(大陸書房)の内容に加筆修正し、書き下ろしを加えて再構成したものである。


★死を覚悟しておかなければならない緊張感といきいきとあふれ出てしまうユーモアがたまらない。


 ブログ主が選んだ1話 < 謎の生き物「ギアナ高地で遭遇した怪鳥」> 1985年(昭和60年)筆者は、ギアナ高地の秘峰ロライマに隊長として仲間4人と登山遠征し、頂上近くで深夜、巨大な怪鳥と遭遇。大きな羽ばたき音と恐ろしい啼き声を聞いた。 ~中間の文を割愛~垂直の岩壁に深くえぐられた岩の溝を登り続けていると、いつしか雨が止んで頭上に星がまたたいていた。 突如、近くの岩棚から「バッサ、バッサ、バッサ」と大きな鳥が飛びだしてびっくりする。 怪鳥は背後に去ったが、まもなくして戻ってきた。 暗闇だが筆者に向かってくる。今度は威嚇するように頭上3メートルで羽ばたく風が頬に届いた。 星空に透かしてみると、黒いシルエットの翼長は2メートルはあった。 不意に鳥が啼いた。「カッキーン、カッキーン」木の枝を折るような大きな音だった。 生まれて初めて聞く、忘れられない恐ろしい声だった。 筆者は、コナン・ドイルの『ロストワールド』に出てくる恐竜を思い出し、「まさか翼竜じゃ・・・・!?」とつぶやいてしまった。~略~ ロライマの頂上台地が20億年もの長い間下界と隔絶されてきたことを考えれば、恐竜はともかく、未知の動物がいたとしても不思議ではない。

上記のことを詳しくつづった上村信太郎著「ギアナ高地探検記」(46ページある)は、電子文芸館に掲載されている。

http://www.japanpen.or.jp/e-bungeikan/nonfc/pdf/KamimuraSintaro.pdf



上村ロライマ山頂.jpg
ロライマ山頂に立つ上村信太郎氏 撮影・小野崎良行



興味のない方はスルーしてください。       


★56話もある話を1つ1つ紹介できないので目次を紹介。

「山の不可思議事件簿」 上村信太郎著 山と渓谷社
<目次>
第1章 奇妙な現象 
◎山の怪現象 マッターホルンで目撃された幻影/消えた4階建て宿舎の怪/テントに近づいてくる謎の靴音/知らないうちに移動した山小屋/ブロッケンの妖怪とセントエルモの火/山奥から響いてくる奇怪な音 
◎山の不思議 女神の山で女神になったアメリカ人女性/頂上をめざす動物たちの怪/朝日連峰の不可思議な遭難/リングワンデルングの恐怖/ヒマラヤに消えた記憶/ニカ国語を理解した名登山犬◎山の謎 富士山初登頂の謎/大雪山に残されたSOS文字の謎/ヒマラヤ登山史上最大の謎/エベレストで遭難した旧ソ連隊の謎/身元不明の遺体の謎
◎山の奇跡 人肉を食べて生還したアンデスの遭難者/エベレストから転落して生還した男/雪崩に埋まり13日間生き抜いた青年/ヒマラヤで宙吊りから救出された日本人/アルプスの氷壁から滑落して助かった日本人/国内の奇跡の生還者たち

第2章 恐怖と神秘 
◎魔の山 殺人峰アイガー北壁/人喰い山ナンガ・パルバット/犠牲者世界一の谷川岳/死を呼ぶ山ミニヤ・コンカ 
◎神秘と伝説の山ノアの箱舟の山アララト/アリストテレスが予言した山/エベレストよりも高い山/ギアナ高地に実在したロストワールドの山/崑崙の謎の山ウルグ・ムスターグ

第3章 伝説と怪談 
◎山の伝説伝承 猫又伝説の謎/埋蔵金伝説の謎/ヒダル神の伝説
◎山の怪談 吹雪の避難小屋の亡霊/真夜中にともる消したはずのローソクの灯/深夜ひとりでに開いた山小屋の扉/テントの中に押し入った幻影/ウペペサンケ山の怪異

第4章 謎の生きもの 
◎山の怪物 中国の秘境に生息する謎の大脚怪/ギアナ高地で遭遇した怪鳥/まぼろしのツチノコを探す/黒部峡谷の正体不明の足跡と奇妙な声/カナダの獣人サスカッチ/中国で頻繁に目撃される野人/コーカサス山脈の謎の獣人カプタル
◎謎の雪男 雪男の足跡写真を発表した登山家/雪男を近くで観察したポーランド陸軍中尉/雪男を間近に目撃した日本の登山家/奇抜な作戦の日本の雪男探検/鈴木紀夫さんがつかんだ雪男の正体/日本の登山隊が持ち帰った雪男の体毛とフン 
◎絶滅動物の謎 ニホンオオカミは発見されていた/九州のツキノワグマは絶滅していない/カッパの正体はニホンカワウソか
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現代版 遠野物語「山怪」(さんかい) 著者・田中康弘  山と渓谷社 [本]

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原 みつるさん作


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「山怪」(さんかい) 著者・田中康弘 山と渓谷社 1200円
山で働き暮らす人々が実際に遭遇した奇妙な体験。現代版遠野物語(本の帯より)


民話や昔話とは違っていて起承転結がはっきりとあるわけではない魅力的な不可思議な出来事。 宗教的または道徳的戒めを含む要素が皆無な、大蛇や狐や狸や河童に関する謎の現象譚を集めている。



★一番怖ろしかった話を1つ御紹介。
「もう一人いる」

白山連峰。5人の作業員が、登山道の拡幅作業で現場に入った。
15時前に天候が急変しガスがかかってきて30センチ先も見えなくなったので、下山することになった。
ムカデ競走よろしく一列になると、5人とも前の人のリュックに手をかけて歩きだした。
その時、班長が変なことを言い始めた。
「いいか、何か来るかもしれないけど絶対に慌(あわ)てるな!落ち着いて黙っているんだぞ、絶対に慌てるなよ。そうすれば何もしないんだから」

「おぅい!!ちょっと待ってくれ、何か、来たみたいだよ~」一番後ろを歩いていた同僚が情けない声を出した。
「よーし、止まれー。後ろを向くなよー」
いったん小休止して、全員登山道に座り込んだ。

再び全員で立ち上がった。
「どうだぁ、まだいるかぁ?」
「う~ん、まだいるみたいだなあ・・・・」
「そうかぁ、よ~しもう一度全員しゃがむぞー」
再びしゃがみこんだ男たち。

★いったい何が起こっているのだろう(ブログ主)
「濃霧の日には何かが出るらしいんですよ」と書いてあってもよくわからない・・・。



あの時起こったことはこうだ。 列の最後尾を歩いている人のリュックを何者かがぐっと掴んだのである。
そんな時は、絶対に振り向いてはならない。
そして大声を出して騒いでもいけない。静かに少し待つのである。
そうすれば、必ずその何者かは去ってゆくらしい。
・・・・見えない何かがそこにいるらしい。


山で働き暮らす人々が遭遇した人情味あふれる奇妙な体験が53話も掲載されている。
このような目に見えないものを絵にしたのが漫画家の水木しげるさんだろう。

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がしゃどくろ 水木しげる
がしゃどくろとは、近代になって創作された日本の妖怪。
戦死者や野垂れ死にした者など、埋葬されなかった死者たちの骸骨や怨念が集まって、巨大な骸骨になってしまったもの。



柴犬カンチの足跡日記 12歳の誕生パーティの様子
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「不可思議プランツ図鑑」誠文堂新光社 文・木谷美咲  絵・横山托彦 [本]

昔から不可思議な植物に興味があったブログ主の「うずのしゅげ」(おきなぐさのこと)は、店頭で見つけた「不可思議プランツ図鑑」にしばらく見入ってしまい、有り金はたいてついに購入してしまった。(今夜と明日のおかずはもやしと漬物だ)
毎晩読むのが楽しみでしょうがない。

イラストレーターの横山托彦さんによって描かれた力強くもとろ~りと濃くかつ繊細な絵。
少年と博士の会話でつづられてゆく木谷美咲さんのユーモラスな文が大変気に入ってしまった。

不思議プランツ1.jpg
「不可思議プランツ図鑑」誠文堂新光社  文・木谷美咲  絵・横山托彦(よこやまたくひこ)
★世界中の植物のイラスト100点を横山托彦さんが担当。
★上の本のカバーの写真、向かって左の永遠の螺旋野菜の名前は、ロマネスコ(カリフラワーの仲間)。
ゆでて塩やマヨネーズで食べるが、お好みで。
幾何学的な螺旋。フラクタル(部分と全体が相似形になっているという概念)


オオカマキリ。絵・横山托彦。もともとは昆虫の精密画を描いている人だ。
カマキリ.jpg
今にも動きそう!おみごとです。


ハエトリソウ(蠅地獄)・食虫植物  絵・横山拓彦
100種あり。北アメリカのノースカロライナとサウスカロライナだけに生えている。
二葉が折りたたみ式になっていて小さな昆虫を0・5秒で挟み込んで食べる。
どろどろに溶かされて栄養になるが、光合成でも十分に育つ。
ハエトリソウ.jpg





セファロタス(写真下) 食虫植物。オーストラリアの南西部のみに自生する。
袋には消化液が入っていて虫が入るとふたをし、消化吸収する。
セファロタス.jpg


「私、食虫植物の奴隷です」水曜社
 著者・木谷美咲  食虫植物愛好家、文筆業。
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柴犬カンチの足跡日記
明日10月25日がカン子ちゃんの12歳の誕生日。
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ノンフィクション作家だってお化けは怖い 工藤美代子 [本]

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ノンフィクション作家だってお化けは怖い 工藤美代子 角川書店 2015年5月30日(初版)


「会いたかったわ貞子さん」(ノンフィクション作家だってお化けは怖いより)
私はときどき、あの世の人たちと遭遇してしまう。最初は半信半疑だったのだが、今はもうはっきりと認めている。多分、私はそういう体質なのだと。そして彼らの存在も肯定している。なんだか理由は分からないが、あの人たちには、彼らなりの必然があって私の前に現れているのだろう。


★お盆前に涼しくなりたくて読んだ本。
 目次だけでもかなり怖い。

「目次」
1)霊はやっぱり怖い
2)変な人たちがいる街
3)真夏に起きた不思議な話
4)眼を合わせてはいけない人たち
5)真冬の朝顔
6)時計だって嫉妬する
7)5か月だけ住んだ家
8)なぜ着物なのですか
9)会いたかったわ貞子さん
10)ヨシエさんの霊感
11)子供たちからのメッセージ
12)殺スル人ガイルカラ殺サレル
13)怖い顔の話

以前読んだ「もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら」(工藤美代子 2011年 メディ
アファクトリー)が個人的には一番怖かった。
その後、「なぜノンフィクション作家はお化けが視えるのか」(工藤美代子 2012年 中公文庫)も読んでいるが、岩井志麻子氏との対談も面白かった。


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羅須地人協会 年譜「宮沢賢治伝」堀尾青史・著 [本]

羅須地人協会.jpg
賢治は下根子桜(地名)の祖父の別荘に手を入れて独居した。
別荘は賢治が他界した後売却され、現在は岩手県立花巻農業高等学校内に移転している。
鍵を借りて中に入ることができる。


賢治は1926年3月、岩手県立花巻農学校を退職し、祖父の別荘で羅須地人協会を立ち上げた。
町内の青年三十余名とともに農村文化の創造と農業改善に努力した。
母や妹が賢治の粗食を憂えて食べ物を届けたが、一切食べなかった。
母が「賢さん、そんなにかせがなくともいいのに」と言うと
賢治は「あたりの畑に一人でも村の人がかせいでいるうちは、やめません」と言う。
「あの人たちには家にちゃんとはたらく女の人たちがおって、ご飯のことをする。帰ればすぐ食べられる。賢さんは帰ってもそうはいかないでしょう。早く畑仕事をやめても、だれも何とも言わんでしょうに」と母が言っても、賢治は聞かなかった。



井戸.jpg
羅須地人協会にある井戸

近くに住む伊藤忠一(教え子)は、賢治の独居の物音で、先生が今何をしているのかがわかる。
それにしても、あの粗食と労働、そして執筆では、どう考えても体がまいりはしないかと思われる。
めしを炊くのも林の中の炊事場で、鉢巻をしてエスペラントの勉強をしながら炊いている。略。
寒くなると炊事場は家の中へ移ったが、あいかわらずめしは炊きおきで、つめたい固いめしに塩をふりかけるだけである。(夏はめしに梅干しを入れそれをざるに入れて井戸につるした。)
ふろは林の中に煉瓦で塀を作り、水槽から水が流れるようにして冷水浴をしていたが、めんどくさいのか井戸端で行水をしている。略。

また読経やいい声で歌うのも聞いたが、時には奇声を発するのも聞いた。
それは奇怪な霊界、幻聴などが襲う時だということであった。
賢治の父は、賢治の超能力をタブー視し、外部には一切もらさなかった。

羅須地人協会には、明るくて活発な高瀬露という女性が賢治の世話を焼きに頻繁に訪れるようになり、大島に住む伊藤ちえという女性も兄と2人で訪ねて来たのであった。



★ブログ主の個人的な状況 
捻挫で左足が痛くて歩けない状態。
明け方、父が夢枕に立ち、山奥の実家の部屋で横たわっている2人を指差した。
その日の午前中に、56歳の独身のいとこの男性が脳内出血で3日前に亡くなっていたと叔母から電話があった。
横たわっている人は2人だったのだがもう一人は誰?
 

柴犬カンチの足跡日記 http://blog.livedoor.jp/kanchi_m/ 
こんなに乙女チックな人間好きなワンコも珍しい。



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