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故郷の盆料理(1) [覚書]

鱈の胃(たらのい・たらおさ)
タラの胃.jpg
父の故郷(九州)の鱈胃(たらおさ)の料理を作ることにした。
材料は乾燥させた鱈の内臓(棒鱈の身をとった残り)を干したものである。
鱈のはらわたとえらは歯ブラシ状のエイリアンにそっくなものでカチカチに乾いており、長さは30センチ〜40センチ。
3日ほどかけて水で戻し、食べやすい大きさに切ったものを干し椎茸や牛蒡などといっしょに醤油や砂糖で甘辛く煮込んだ。一味唐辛子の味も混じっていた。
山奥の人たちには海の魚介類が手に入りにくくこのようなものまで大切にした。
お盆料理.jpg
山里の料理の材料は、干し椎茸、干したけのこ、干しぜんまい、干し大根と言うように干したものが多く、沖縄出身の母の昆布料理もおいしかった。
干した川魚も香ばしく焼いて食べていた。


柴犬カンチの足跡日記 
自分以外のわんこを抱っこすると嫉妬するカンちゃん。
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同級生名簿の名前が墓碑銘になる [覚書]

父方の故郷の中学の同級会の世話役(会長)をしているH君から久しぶりに電話をもらった。
来年の同級会の名簿を作っていて、表紙がさびしいので、私に絵を描いてくれという。
とてもじゃないけれどできない相談です!
私が中学の時に描いた水彩画でいいのなら、コピーして送るということになった。
運動場の上の丘から町を見下ろし、赤い壁面のある映画館を中心に、家々や山の木々を細かく描いた絵だ。
はるか遠い過去の時間にいた中学生の、遠近法もなく家の寸法もゆがんだ技術的には稚拙な絵だが、客観的に見ると色彩にその時の中学生にしか出せないみずみずしいものがある。
「同級会名簿の名前が墓碑銘になるかもしれない」とH君は言った。
シベリアに抑留されていた詩人の石原吉郎さんが、人の名前の大事さを書いておられたのを思い出す。
「自分に対してひどいことをした人間に対して、その人をかわいそうな人物だなと感じ、憎しみは憎しみのまま、受け止められる時が時々ある」と言うと、「年の功だね」とH君は笑った。


木々や草にツタが絡まって風に揺れる姿は美しい。
そこら一帯の空気に緑が溶け込んで揺れていて何とも言えないものを作りだしている。
草が覆いかぶさった奥に流れる川、緑の石が反映した静かな空間は神々しい。


同級生の人数は、221名、亡くなった人がすでに19人いる。
不明者は27人(住所がわからなくなり、連絡がとれない人がほとんど。連絡がとれても同級会には絶対出てこない人もいる。言いたくないことは言わなくていいから、存在そのものを喜びあいたいから顔を見せてよ、と言う一文をつけて葉書を出したい)

たとえが変なのだが、いやなことでも順番が回ってくると受け入れなくてはならなかったいう意味で、予防注射が大嫌いだった私は、必ず順番が回ってくる予防注射のようにやってくる死を受け入れかねている。
生まれる前の何も感じられない空白状態の時間が、自分の死の後に永遠に続くと考えるといたたまれない。
層祖父母(写真でしか知らない)、祖父母、父、兄、叔父、叔母、従兄弟、従姉妹たちは亡くなっているのに私は、自分の死を受け入れかねている。

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その町の人口は3000人あまり。
毎年催されるかかし祭り。
写真に写っている50人中、45人はかかしです笑


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稲刈りの済んだ田んぼで、盆踊りを踊っているのは全部かかしです。
苦心惨憺して寝ないで作った楽しいかかし人形たちに敬意は表しますが。ふとゾンビ映画に雰囲気が似ていると思うこともないではない


柴犬カンチの足跡日記 カンちゃんに一度会ってみたいな
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都会や国外に散ってゆくわが一族 & 最近見ているNHKテレビドラマ「情熱のシーラ」 [覚書]

<父方の一族>
極めて個人的なことであるが、同じような環境で育ち、似通った生活をして来た人々は星の数ほどいるに違いないので、そういう人たちからはある程度は共感を得ることができるだろう。
生きてきた環境がまったく違っていても、体験はどこかでつながっているはずなので、内容は違っていてもおおよその好悪の予想がつき理解に至ることもあるだろう。

★外野席の私は想う「前置きが長すぎる。何を言っているのかわからない。」と

没落した一族の悲壮感。
ヘッセの小説「車輪の下」に一貫しているあきらめと絶望感。
同じものを持った一族は、他の人に対して小言が多い。
そうでない者は(女性たち)一見表向きは明るくふるまうので、積もり積もった重圧で精神的疾患になりやすい。
実父を例にとれば、周りにいらぬ緊張感を持たせ、身内にはしょっちゅう暴力をふるい、言葉の暴力などは日常茶飯事であった。


さて田舎の農家の二男や三男や四男や五男は貧しい山村では働き口がないので、必ず都会に出る。
4人もいる叔父たちは大阪東京に出てそれなりに暮らしていてはいるが、だんだんに交流が途絶えてゆきがちになってくるのだ。
実父は、自分の憂鬱さで人を避けていたい時やめんどくさい時に「迷惑をかけるな」と相手に言い交流を断わっていた。
人間どうしの交流で迷惑をかけないでいることはできないので、まるごと会えなくなってしまうということだった。
めったに会えないそういう親類の人たちに対して、私は大いに迷惑をかけあいたいと思っていた。
しかしながら何かの集まりで、その人の家に行くことは迷惑をかけてしまうことになるらしく、なんだかんだと言い訳をして葬儀以外は、集まろうとしないのである。
今現在のようにちりじりばらばらになって、音信も不通になり、やがてはそこここの場所で消えてゆかねばならないのだった。





「情熱のシーラ」NHK総合(日曜日 11:00~11:50)8話まで終了
シーラ1.jpg


スペインマドリードの優れた洋裁技術を身に付けたお針子の女性シーラが、婚約者がありながら、魅惑的なラミーロと恋に落ち、モロッコに移住する。
ラミーロには裏切られ、流産し、内戦が始まってしまったスペインには帰れず、モロッコでオートクチュールの店を開き、ナチスドイツの高官たちの妻を客に持ち、イギリス秘密情報機関からスパイになるように依頼される。
(ダウントン・アビー シーズン3の後に始まったテレビドラマ。シーラの友人の芸術家や警察署長、新聞記者などの男性との会話が興味深い。)


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覚書 父方の一族の衰退 [覚書]

<日本中の山村には良くあることかも知れない>
やがては藪におおわれてゆく家々


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一人暮らし九州のいとこのNちゃん(56歳・男性)が、今年の5月の終わりに亡くなった。
独身のNちゃんは、山また山の、またその山奥の一軒家に住んでいて、午前中に田植えの準備のために田に出て、帰宅してビールを飲みそのまま倒れ、4日後に職場や近所の人に発見された。
ずっと高血圧だったけれど、普段の食事は山を下って買って食べることが多く、お正月で店が休みになる時は、雪が降ったりすると、食べるものがカップラーメンになるらしかった。
Nちゃんは、お酒が大好きで部屋には酒瓶やビールの空き缶がごろごろしていた。
その昔、父の実家の土地に、大名の命令で他の土地から移ってきた家来が庄屋になり、庄屋の家が参勤交代のための宿になっていた。
やがて庄屋の分家ができ、そこが私の父の実家だった。
12人も子供が生まれたが父は長男だった。
本来ならば、私の父が家を継ぐはずだったのだが、体が弱く、母にも農業は無理だったので、二男の叔父が家を継ぐことになり、その長男がNちゃんだった。
実家の一人息子のNちゃんが亡くなったので、実家にはだれも住む者がいなくなり、33もある畑や田や山々が残された。
できることとは思わないが、Nちゃんにこの世に戻って来てほしい。可哀そうでたまらない。
Nちゃんの姉や妹たちもあきらめきれない毎日を送っている。
私の兄が亡くなり、私が子供のころ過ごして遊んだ父の実家にはもうほとんど行くことはないだろう。
豊かだった水は枯れ水車もないし、神社にも柵がしてあるし、隣近所にも空き家が多い。

廃屋2.jpg

7月の26日に山奥の実家でNちゃんの初盆があったので、結婚しているNちゃんの姉や妹やそのつれあいや子供たちが集まった。
草ぼうぼうの庭や畑、跡かたもない井戸や崩れかけた小屋、雨漏りがする部屋そして集まった人々からは哀しみや怒りや寂しさが煙のように漂っていた。
早々においとました私には、そのことがいつまでも影を落している。
もう肉体を持っていない肉親や親戚縁者の人たちのことを考え始めると、息が苦しくなる。


★夢まくらに立つ
5月29日の明け方、父が夢に出てきて実家の部屋で横たわっている人(Nちゃん)を指差した。
倒れている人は2人?いるような気がしたのだが。良く分からない。
その日の午前中に叔母から電話をもらい、Nちゃんが亡くなっていたことを知った。




柴犬カンチの足跡日記 カンコママのおみせは、ほんわかとあたたかい
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